整骨院や接骨院、整体院など、いわゆる治療院と呼ばれているものは、全国に数多くあります。
実際に通ったことがある方でも、それぞれの治療院の違いについてはよくわからない、今自分の症状はどの治療院が適しているのかわからない、という方も多いはず。
今回は、治療院の各々の違いや、治療院の選び方についてを詳しく解説していきます。
整骨院・接骨院・整体院…治療院の「違い」を詳しく解説
「整骨院」「接骨院」は、実は名称が違うだけで、どちらも「柔道整復師」という国家資格者が常勤している施術所のことです。「美容院と美容室、呼び方は違うけど同じようなもの」と説明している方もいるそう。
「整体院」は、身体をほぐすマッサージや、骨盤矯正など、施術内容は多岐に渡ります。また、資格を持っていなくても、開業することができます。
実際の施術内容は？
整骨院や接骨院では、柔道整復師が骨つぎやマッサージなどの「施術」を行っています。
基本的には医療行為は禁止されているので、骨折や脱臼の治療を受ける場合、注射や薬の投与などはできません。
また、医師の同意がない限り、応急手当の対応になります。
整骨院の場合は、基本的に誰でも開業することができますが、一般的には「整体師」という民間資格を取得している方が多いです。
施術内容は、整体院によって違いはあるものの、慢性的な肩こりや腰痛へのマッサージ、骨格矯正が中心です。
整骨院、接骨院、整体院、いずれも医療機関ではないので、レントゲンや診断書の発行はできません。
医療機関である整形外科との違いは、「整形外科は診断してもらう場所」「ほかの治療院は手当をしてくれる場所」と考えるとわかりやすいですね。
治療は保険適用できる？
マッサージを受けるだけだと、保険適用はされず、全額自己負担になりますよね。
整骨院・接骨院・整体院では、健康保険が使えることは勿論、労災などの保険も適用することができます。
ただ、保険適用されるには「日常生活が原因で発生した急性の症状である」という条件が付きます。
急性の症状というのは、例えば「骨折や脱臼、ぎっくり腰、スポーツ時の肉離れ」等を指します。
保険が適用できると思うと、少し安心して通うことができますよね。
また、「日常生活の疲労の蓄積による肩こり」や、「神経リウマチなどの痛み」などの場合は健康保険が使えません。
単なる肩こりや、医療機関で治療すべき病気から来る痛みには、対応していないということですね。
また、健康保険を使った施術が認められているものの、健康保険でかかる施術料は一度自分で全額を窓口で支払い、後日健康保険組合に申請して払い戻されるということが原則です。
しかし、一般の病院と同じように健康保険証の提示によって、一部負担金で施術を受けられることもあります。
治療院によって異なりますので、保険を適用させたい場合、一度問い合わせてみても良いかもしれません。
施術にかかる時間は？
治療院によっても異なりますが、平均的には初診では４０分程度から６０分程度です。
２回目以降は、２０分程度から３０分程度のことが多いです。
施術時間が短いのでは？と思うかもしれませんが、施術時間が多ければ効果が高いというのは間違い。適切な施術でもしっかり効果を感じられることが多いです。
また、通う期間は、一般的に月に一度程が多く、身体のメンテナンスとして定期的に通うと効果を実感しやすいです。
一度かかれば終了、ということではないので、治療院選びはアクセスの良さも重要ですね。
整骨院・接骨院・整体院。どう使い分けるのが正解？
治療院によって、様々な違いがあることを紹介してきました。
それでは、実際にどのように使い分けをすれば良いのかを説明していきます。
「整骨院」「接骨院」に行くときのポイントは、「柔道整復師にのみ認められた施術や処置をしてほしいとき」です。
具体的には、関節の痛みや、筋肉のこわばりなどの痛みについては、柔道整復師の資格を持っている整骨院・接骨院でしか対処できないのです。
また、柔道整復師の資格を持った人は、同時に「介護予防機能訓練指導員」としての業務も行うことができます。
これは、介護が必要でない高齢者に対して運動のプログラムを決めて筋力の向上を測ったり、要介護者に対して筋肉が動くように訓練を行ったりすることです。
続いて、「整体院」に行くポイントは、「リラックス」や「痛みが長く続いているときの解消」のために行くと良いでしょう。
整体院では、手で揉んだり、身体をほぐしたりする施術が中心になりますが、これにはリラクゼーション効果や、凝り固まった身体を循環させる効果が期待できるからです。
人の手によって揉んだりほぐしたりしていくと、人の体の副交感神経が活発になり、固く強張った身体も緩和されていくことがわかっています。
生活のゆがみや身体の根底のずれの解消を期待する場合は、整骨院に出向くことをおすすめします。
まとめ
いままで、治療院による違いや保険適用について気をつけることなどをご紹介してきました。
なんとなく違いがわからなかった人も、自分の症状にはどこが良いのか悩んでいた人も、イメージがついたのではないでしょうか。
最後に、治療院で迷った時に気をつけることをお伝えします。
「あまりよく調べずに、飛び込みで治療院に行かないこと」
「１回の施術が終わった後、治療院を点々としないこと」
この２つが重要です。
また、「治療対象外の症状や、なかなか改善できない症状を正直に伝えてくれる治療院」を選ぶことも大事です。
ひとりひとりの症状をしっかりと聞いた上で、必要があれば専門の医療機関を案内してくれる治療院のほうが、安心感があります。
「絶対に治りますよ！」と断言している治療院は、一度疑問を持ってみても良いかもしれませんね。
口コミやランキングサイトなども参考にしながら、じぶんにぴったりの治療院を探してみてくださいね！